雪国の逆境も好機に。
地域を制する集客哲学

2025年度「おたからやフランチャイズオーナー会」にて、集客新人部門１位として表彰された、新潟を中心に現在7店舗を展開する、株式会社FazerAgoraの武野谷オーナー。
今回、見事MVPの座に輝いた秘訣、そしてその卓越した集客術に迫りました。

集客施策で最も効果的だったのは、今も昔も「折り込みチラシ」です。特に、私たちが店舗を展開するような地域では、「おたからや」という看板の力が絶大です。競合他社も存在する中で、「買取といえば、やはりおたからやだよね」という地域一番の認知を確立するためには、チラシによる継続的なアプローチが欠かせません。これが全ての基本であると実感しています。
その上で、私たちの集客の根幹を成すのが「ドミナント戦略」です。1店舗だけで戦うのではなく、地域内に複数の店舗を構えることで、一枚のチラシでカバーできる商圏を一気に広げる。店舗が増えれば、ローカルのフリーペーパーなど、打てる施策も増えていきます。こうして面で地域を抑えることで、広告効果を最大化し、お客様の認知を盤石なものにしていくのです。

競合がひしめく中で選ばれ続けるために、私たちは「お客様からの信頼」を何よりも重視しています。チラシで他社よりも良い条件を提示するのは当然のこと。私たちがそれ以上に徹底しているのが「Googleマップの口コミ獲得」です。ご来店いただいた全てのお客様から口コミをいただくことをモットーとし、スタッフ一丸となって取り組んでいます。お客様がお店を選ぶ際、そこに寄せられた感謝の声は、何よりも雄弁な広告となります。
さらに、その信頼を盤石なものにするのが、スタッフ一人ひとりの力です。リピートのお客様には必ず同じ担当者がつくようにし、店舗間の異動も極力行いません。そうすることで「〇〇さん、また来たよ」と顔を覚えていただき、お客様とスタッフの間に深い信頼関係が生まれます。するとスタッフにも「このお客様は、私を訪ねてきてくださっている」という自覚と責任感が芽生え、お店の店長であるという意識が高まる。この好循環が、組織全体の地力を着実に押し上げています。

雪国である新潟の冬は、どうしてもお客様の足が遠のき、売上が落ち込みます。多くの経営者がここで広告費を削るでしょう。しかし、そこであえて私たちは発想を転換しました。「来店が下がるからチラシを減らすのではなく、下がるからこそ、もっと出す」。逆張りのようではありますが、この攻めの姿勢を貫いた結果、ある時から売上は一定ラインから下がらなくなり、苦しい時期を乗り越える大きな教訓となりました。

加盟してから約一年でこのような賞をいただけるとは思ってもみませんでした。大変光栄であると同時に、非常に嬉しく思っています。
現在は7店舗を運営しておりますが、年内には10店舗体制となることが決まっています。もちろん、出店を加速させる中で人材不足といった課題はあります。しかし、「おたからや」という日本一の看板を背負っている以上、その責任とプライドを胸に、私たちは歩みを止めるわけにはいきません。この度の受賞を励みに、今後も常に高みを目指し、日本一に向かって走り続けていきたいと思います。