2025.05.12

逆境を成長の糧に。
北海道でFC展開を成功させる、地域密着と独自戦略

40年続けた焼肉店経営から買取業へ。コロナ禍を機に新たな挑戦を決意

40年近くにわたり、最大で4店舗の大型焼肉店を経営していました。100席以上ある店舗もあり、地域のお客様にご愛顧いただいておりましたが、2020年頃からのコロナ禍の影響は甚大で、売上が大幅に減少。飲食業界全体の変化、特に夜間の集客が厳しくなる状況を目の当たりにし、事業継続が困難と判断した末、2023年3月末をもって、全店舗を閉店いたしました。

もともと、物を売る側から「買う側」に回るビジネス、つまり古物やリサイクル業には興味がありました。飲食店経営で現場に立ち続ける日々でしたが、コロナ禍を機に新たな挑戦を模索する中で、買取専門店のフランチャイズという形態に可能性を感じました。いくつかのフランチャイズ本部の話を聞く中で、最終的には「おたからや」への加盟を決断しました。飲食店とは異なるビジネスモデル、特に少人数のお客様からでも利益を生み出せる可能性に魅力を感じたのが大きな理由です。一日数百人のお客様を相手にしていた飲食店とは全く違う世界への挑戦でした。

マニュアル+αの価値を追求。逆境を突破した工夫とは

2020年に加盟し、最初の店舗を開業した当初は、市場環境の変化に直面しました。近隣地域にも買取店が増え始め、オープン当初から競争意識を持って事業に取り組む必要がありました。しかし、状況を嘆くのではなく、「どうすればこの状況で生き残れるか」を徹底的に考え、行動に移しました。宣伝広告に力を入れるのはもちろん、当時は地域での催事も積極的に展開しました。店舗でお客様を待つだけでなく、商業施設や地域の会館などに出向き、自ら買取の機会を創り出すことに注力したのです。
また、店舗運営においても試行錯誤を重ねました。札幌から現在の店舗へ移転した際は、家賃が倍になり、人口も減ることから社内でも慎重な意見がありました。しかし、家賃が高くても人通りの多い場所でティッシュ配りなどの販促活動ができれば、十分に勝機はあると考えました。

実際に移転後は、スタッフでもある田中が毎日6時間以上ティッシュを配り続け、地道な努力が実を結び、2ヶ月目から徐々にお客様が増え、リピーターや紹介に繋がっていきました。店舗ごとに客層や流れは全く異なります。お客様との対話を大切にし、信頼関係を築きながらリピートに繋げること、そして在庫に関しても、相場を見ながら最適なタイミングで売却するなど、利益を最大化するための工夫を常に意識しています。

現在は3店舗(2025 年 5 月に 4店舗目オープン予定)を展開し、8名の従業員と共に事業を運営しています。多店舗展開を進める上で最も重要視しているのが人材育成です。基本的な研修としてロールプレイングを徹底し、商品の見極めや、お客様とのコミュニケーション方法を実践的に指導しています。うまくいった点、改善すべき点を具体的に共有する反省会も欠かせません。新店舗オープン時には、基本的に私が指揮を取り、現場で指導にあたりながら、店舗運営が軌道に乗るまでサポートします。
査定においてはなぜその価格になるのか、根拠を持ってお客様に説明できるスキルを身につけることを重視しています。お客様に心からご納得いただけるような、丁寧な説明と誠実な対応を心がけています。また、現金や高価品を直接扱い、査定の専門性も求められるため、残念ながらスタッフの不正が発生し得る側面もあります。そのため、ルールを明確にし、締めるところは締めつつ、スタッフが安心して働ける信頼関係に基づいた環境づくりを心がけています。
今後の目標としては、さらに3店舗を増やし、計7店舗体制を目指したいと考えています。特に、天候に左右されにくく、安定した集客が見込める商業施設への出店を希望しています。北海道の冬は厳しく、路面店では除雪の問題や悪天候時の集客減が深刻なためです。

ブランド力は追い風、成功は己の舵取りで

「フランチャイズ被害者の会」といったブログの存在は認識しています。フランチャイズ経営特有の課題など、そうした点において、書かれている内容に全く理解できないわけではありませんが、本部への批判や運営の困難さを中心に発信されていることが、現在真摯に事業に取り組んでいる他のオーナーやお客様に余計な不安を与えてしまうのではないかと懸念しています。幸い、私どもの店舗では直接的な被害はほとんどありませんが、少し残念に思う部分はあります。
これから「おたからや」への加盟を検討されている方にお伝えしたいのは、フランチャイズは「加盟すれば必ず成功する」というものではない、ということです。「おたからや」のブランド力は、特にご年配のお客様からの認知度や信頼度という点で、月々のロイヤリティを支払う価値のある大きなメリットだと感じています。しかし、それに甘んじることなく、自分自身でビジネスを成功させるという強い意志と、主体的な行動力が不可欠です。

本部からのサポートはありますが、受け身で待っているだけでは不十分です。査定のスキル、相場の知識、効果的な広告戦略など、自ら学び、考え、試行錯誤することが求められます。本部からのアドバイスも参考にしつつ、自身の店舗状況に合わせて最適化していく主体性が求められます。例えばチラシ一つにしても、ただ枚数を増やすのではなく、配布エリアや曜日、競合の動きなどを分析し、費用対効果を最大化する戦略が必要です。

また、お客様との関係構築、特にリピーターをいかに増やすかが成功の鍵です。一度きりの取引で終わらせず、次も「おたからやに持っていこう」と思っていただけるような接客や関係づくりを意識することが重要です。買取ビジネスは、お客様から大切な品物を「買う」という、信頼関係が基盤となる仕事です。その点を深く理解し、地域に根ざした店舗運営を目指すことが、長期的な成功に繋がると信じています。

F-base株式会社 
代表取締役 工藤 晴生 部長 田中 雄也


1993年~ 飲食店勤務。エリアマネージャーとして勤務。
2020年~ 「おたからや」に加盟。
2025年5月現在、3店舗経営。
1993年~
飲食店勤務。
エリアマネージャーとして勤務。

2020年~
「おたからや」に加盟。

2025年5月現在、3店舗経営。

おたからやちとせモール店のURLはこちら

http://chitosemall.original-otakaraya.net/tenpo.html http://chitosemall.original-otakaraya.net/sp/tenpo.html


インタビュー日:2025/04/15
インタビュアー:株式会社いーふらん
広告戦略本部 広報 原 七海

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