人生100年時代の挑戦。大手ホームセンター27年の経験者が選んだ新たな道
大学卒業後、約27年間大手ホームセンターに勤務していました。店長職や、グループ会社への出向などを経験し、最後の数年間は東京で新規事業の開発を行いました。会社員としてキャリアを重ねる中で、40代を過ぎると役職定年や定年を迎える先輩方の姿を目にするようになります。「期限がある働き方」に疑問を感じ、「人生100年時代」と言われる中で、50歳を前に「もっとワクワクする人生を送りたい」という想いが強くなりました。
独立を考え始めた当初からフランチャイズには興味があり、様々な業態の説明会に参加しました。ただ、買取業界は当初視野に入れていませんでした。最終的に「おたからや」に惹かれたのは、元々興味があった中古ビジネスであることに加え、他のフランチャイズと比較して開業資金が少なく、在庫を持つ必要がないというビジネスモデルの手軽さに魅力を感じたからです。そして何より、当時業界トップクラスだった店舗数とブランド力。「やるならおたからや」と、決意を固めました。長年勤めた安定した会社員生活から、全くの異業種へ飛び込む大きな決断でした。
開業後の奮闘と「ワクワク」を求めた先に
前職では定価のある商品を販売していましたが、買取業は日々価値が変動する中古品を扱うビジネス。この根本的な違いに慣れ、意識を変えるのには半年ほどかかりました。
2020年、1号店をオープン。初月はまだ半月の時点で売上700万円と予想以上のスタートダッシュで、「これはすごいことになるぞ」と期待に胸を膨らませました。しかし、現実は甘くありません。翌月からはお客様がなかなか定着せず、苦しい時期が続きました。チラシを大量に配布しても反応が鈍く、売上が伸び悩む中でも、従業員のモチベーションを維持するため、少ない利益の中から食事に連れて行くなど交流の機会を設けました。私自身はというと、事業を維持するために貯金を切り崩し、家でカップラーメンをすするような苦しい時期も経験しました。「目から血が出るくらい考えろ!!」と自らを鼓舞し、競合店を視察しては真似できることを探し、「失敗してもいいから何でも試そう」と、がむしゃらに改善に取り組みました。
当社の経営理念は「笑顔の創造」です。その先の笑顔を創造に行動しよう!が原動力です。お客様はもちろん、働く仲間、取引先、その家族まで笑顔にさせること。スタッフに毎回聞くことがあります。それは「お客様は喜んでいたか?」ということ。ただこれだけです。
また、店舗レイアウトも工夫しました。質屋のような入りにくい雰囲気ではなく、査定の様子が見えるオープンなカウンターにすることで、お客様が気軽に立ち寄れ、安心して取引できる空間づくりを意識しています。こうした地道な努力と工夫が実を結び、今では1号店はリピーターのお客様に支えられ、また、エリア外から足を運んでくださるお客様も全体の三割と増加しました。
もちろん、今でも売上が伸び悩む時期には、「ワクワク」を求めて始めたはずなのに「ドキドキ」することもあります。(笑)先日1年前に購入されたばかりという500万円クラスのロレックスを買い取らせていただいた時などは、やはり大きな緊張とやりがいを感じました。大変な時も、今は共に働く仲間がいるので、乗り越えていけると思っています。
今後の店舗展開については、10店舗、20店舗と急拡大を目指すというよりは、一つ一つの店舗がしっかりと地域に根付いた段階で、次へ進むという着実な成長を考えています。エリアとしては、まだ出店していない札幌市内や、札幌郊外へ少しずつ広げていきたいです。
立地に関しては、インショップ型にこだわっています。これは北海道ならではの理由が大きいのですが、ロードサイド店は冬場の除雪作業が負担になる上、大雪時にはお客様が来店できなくなるリスクがあります。安全面や、既存施設内での認知度の高さを考えても、インショップ型が有利だと考えています。また、顔が見える安心感も大切にしており、チラシなどにはスタッフの顔写真を掲載し、お客様に親しみやすさを感じていただけるよう努めています。競争については、業界全体がオーバーストア気味であることは認識していますが、むしろチャンスだと捉えています。競争が激化することで買取ビジネス自体の認知度が上がり、生活の一部になれば良いと考えているからです。
人生は一度きり。会社員から独立へ、次の一歩を踏み出すあなたへ
「フランチャイズ被害者の会」のようなブログを目にした時、同じ志で始めたはずなのに、うまくいかない現実もあることに、正直、悲しい気持ちになりました。だからこそ、今回のようなインタビューの機会を通じて、自身の経験を発信したいという想いもあります。
これから加盟を検討されている方、特に会社員の方にお伝えしたいのは、「人生は一度きり」ということです。定年までのレールが見えている人生も安定していますが、もし少しでも「ワクワクしたい」という気持ちがあるなら、一歩踏み出す勇気を持ってほしい。適性で考えるよりも「やるか、やらないか」。会社員でも自営業でも、一生懸命やることに変わりはありません。新しい挑戦は、きっと想像以上の経験と成長をもたらしてくれるはずです。
株式会社ブレイブアドバンス 代表
田中 達也
1992年~ ホームセンターでテナント開発業務で勤務
2020年~ 「おたからや」に加盟。
2025年5月現在、北海道で2店舗経営
1992年~
ホームセンターでテナント開発業務で勤務
2020年~
「おたからや」に加盟
2025年5月現在、北海道で2店舗経営
おたからや篠路店のURLはこちら
https://www.otakaraya-shop.jp/shinoro/
インタビュー日:2025/04/15
インタビュアー:株式会社いーふらん
加盟店サポート営業部 SV 轟 昂至
広告戦略本部 広報 原 七海