私のキャリアは、少々ユニークかもしれません。最初は、大好きなギターに携わりたいと楽器店で修理の仕事に就き、次にまたしても大好きな車の世界に飛び込み、サービスフロントを15年。その後、独学でプログラムを学びシステムエンジニア(SE)になりました。40年ほど前はソフトウェアが非常に高価で、自分で作るしかなかった時代の話です。これまでの仕事は、すべて自分の趣味や興味が起点でした。
しかし、「おたからや」への道は全く異なります。54歳でSEとして勤めていた会社がなくなり、その年齢でのSEとしての再就職は不可能でした。若い世代が次々と育つ業界で、ベテランはなかなか相手にされません。当時は母親の介護でお金も必要、時間に融通が利き、年齢的に体を使う仕事も避けたい…そんな状況で独立開業の情報をウェブサイトで探していた時、偶然、先輩オーナーである向山さんを紹介する記事を見つけました。
ギター、車、SE…そして買取業15年。
ベテランオーナーの自分らしい仕事術
「好き」とは違う、でも「最適」な選択
「このような経緯で開業しました」というストーリーに惹かれ、すぐさま本部へ。他の選択肢も検討しましたが、当時54歳という年齢や体力的なこと、時間に融通を利かせたいという状況を考えると、買取業、そして当時この分野のフランチャイズとしてはほぼ唯一の選択肢であった「おたからや」が、まさに最適な道だと確信したのです。
15年の歩みと「好き」を活かす独自スタイル
加盟当初(2009年)は今と比べて競合他社が少なく、ある意味では楽な時代でした。
しかし、最初の1年はやはりお客様が来なくて大変でしたね。転機となったのは2011年の「ゴールドバブル」。金の価格が高騰し、連日ニュースで報道された時期です。当時は世田谷区でおたからやは当店だけだったこともあり、連日多くのお客様が押し寄せたのです。お店の買取資金が尽きては一時閉店し、業者にお買取した金を売って現金化し、また店を開ける…そんな狂乱状態も経験しました。大変な状況ではありましたが、この出来事がきっかけとなり、多くの方にお店の存在を知っていただけたように思います。
こうした経験を経て、長年ご愛顧くださるお客様にも支えられ、現在は安定した経営を続けています。
年間250~300人ほどのお客様がいらっしゃいますが、驚くことにその約8割がリピーター様。開店当初からずっとお付き合いのあるお客様もいらっしゃいます。
なぜリピートしていただけるのか。特別なことはしていませんが、とにかく「できる限り買う」姿勢は貫いています。例えば、アクセサリーの中からメッキのチェーンでもプレートだけ金だったり、細かい部分も見逃さず値段をつけます。電池切れの時計も、電池交換して動けば買い取ります。時計の精度を測るタイムグラファーも導入し、お客様に状態を具体的に説明したり、時には簡単な調整をしてあげることもありますね。例えば、壊れたギターでもお買取させていただき、自分で修理して楽しんだ後、適切な価格で次に必要とされる方へ販売することもあります。元々細かい作業が好きなので、そういった技術や道具を活かして、お客様に少しでも喜んでもらえれば、それが信頼に繋がっているのかもしれません。そういったことから「他店で断られたんだけど…」と来店される方も多いですね。
何より、このビジネスモデルは、基本的に一人で運営でき、自分の裁量でペースを決められる自由度の高さが魅力です。私にとっては、土日祝日はしっかりと休み、自分の時間を大切にしながら無理なく続けられる点が、長くやってこられた理由の一つですね。
本部との関係について、15年の間には、組織体制の変化に伴う試行錯誤の時期もありました。しかし、現在の体制になってからは、サポート体制も整備され、本部による買取サービスなども含め、オーナーにとっては非常に心強い存在になっていると感じています。時代に合わせて本部も進化しており、今は良好な関係の中で事業に取り組めています。
紆余曲折ありましたが、この仕事を15年続けてきて、やはり「やってて良かったな」というのが正直な気持ちです。
時間に縛られず、自分の裁量で。おたからやだから実現できる「マイペース」な働き方とは
時々「被害者の会」のブログや動画を目にしますが、「まあ、この仕事に向いていなかったんだろうな」と感じます。加盟を検討されている方にお伝えしたいのは、まず「ご自身の適性を見極めること」が何より重要だということです。ご自身の適性、特に対人コミュニケーションへの向き合い方については、よく見極める必要があるかもしれません。
次に、「場所選びは慎重に」。私の場合は幸運にも、他のオーナーさんの紹介で今の良い場所(二子玉川)を見つけることができましたが、最初に探していたエリアでは、おそらく成功していなかったでしょう。家賃、アクセス、客層など、立地の要素は経営を大きく左右します。
最後に「商品知識」。これはもう、現場で必死に覚えるしかありません。私も最初の半年は、全く興味のなかったブランドバッグの査定が怖くて、体重が減りました(笑)。貴金属の査定は相場や純度など明確な基準がありますが、ブランド品などは新しいモデルも次々と登場しますし、知識の習得は大変です。
しかし、自分のペースで仕事ができ、様々な品物やお客様との出会いがあり、時には自分の「好き」や「得意」も活かせる。この仕事には、そういった面白さがあります。適性を見極め、覚悟を持って臨めば、きっと道は開けると思います。
株式会社まい
山岡 真沙実 オーナー
1980年~ 自動車ディーラーでサービスフロントとして勤務
1995年~ IT系の会社でSEとして勤務
2010年~「おたからや」に加盟
2025年5月現在、都内で1店舗運営
楽器店に勤務
1980年~
自動車ディーラーでサービスフロントとして勤務
1995年~
IT系の会社でSEとして勤務
2010年~
「おたからや」に加盟
2025年5月現在、都内で1店舗運営
おたからや二子玉川店のURLはこちら
https://www.otakaraya-shop.jp/futakotamagawa/
インタビュー日:2025/04/18
インタビュアー:株式会社いーふらん
広告戦略本部 広報 原 七海
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